ロスアラモスの核の拠点に迫る山火事
- 2011/06/30
- 11:10
今年は自然災害の多い年です。2011年になってまだ半年ですが、毎月、毎週世界のどこかで
「50年に一度の」「100年に一度の」「史上最大規模の」と言った災害のニュースが飛び込んできます。
その中でも特にアメリカに被害が集中しているような気がします。
大寒波、竜巻、熱波による大停電、洪水、山火事。
国のカルマ・・・神による警告・・・そういう言葉が浮かんできます。
こうした災害のニュースを知るたびに、自分に問うてみないではいられません。
自分の豊かな暮らしを支えるために、世界のどこかの国の人たちが苦しんでいたのではないか、
とんでもない負担を自然や地球に与えていたのではないか、と。
それにしても、プルトニウムを含んだ放射性物質が3万本、ドラム缶に入って野ざらしで保管とは!
msn産経ニュースより転載
核開発の拠点に迫る炎 米ロスアラモス、1万人に避難命令
2011.6.30 08:17 配信
28日夜、米ニューメキシコ州のロスアラモス国立研究所(手前)の背後に迫り来る炎。
29日で火災発生から4日目を迎えた(AP)
米南部ニューメキシコ州で発生した山火事が、米国の核開発の拠点となっている研究所に迫り、敷地内に保管中の放射性物質への影響が懸念されている。東京電力福島第1原子力発電所事故を受け、世界的に核関連施設や原発の安全性が問われる中、研究所側は危険はないとして不安解消に懸命だ。
山火事の影響が懸念されているのはロスアラモス国立研究所。第2次世界大戦中に日本に投下された原爆の開発の舞台となった施設で、現在も米国の核兵器開発の中核を担う。
放射性廃棄物のドラム缶
研究所周辺で26日に発生した山火事は拡大し、27日には研究所の敷地の一部が一時延焼。住民約1万人のロスアラモスの町に避難命令が出され、研究所も非常事態に対応する人員のみを残して一時的に閉鎖された。28日も300人以上の消防士と放水ヘリ数機が投入されたが、鎮火には至っておらず、すでに2万4000ヘクタールを焼いた。
研究所の敷地には、プルトニウムを含んだ放射性廃棄物が約200リットル入りのドラム缶で3万本、野外で保管されている。
「ドラム缶が過熱して破裂することが心配だ」。ある核兵器監視団体の幹部はAP通信に語り、有害物質が火災の煙とともに広がる事態を懸念する。放射性物質を含んだ土壌が火事によってまき散らされる可能性もあるとしている。
これに対し、研究所側は放射性廃棄物の保管場所は舗装され、付近には火が燃え移るような草木はないと説明。28日昼時点で火の手は3キロ以上、離れており、保管場所まで到達する可能性は極めて低いとしている。
火が保管場所に近づいた場合も、特殊な防火剤をドラム缶にかける準備がすでとられているといい、研究所の報道担当の女性職員は「ドラム缶は今回以上の火災でも耐えられる安全基準でつくられている」と自信を見せた。
相次ぐ山火事
この地域では2000年にも大規模な山火事があったが、研究所は被害はなかったという。ただ、研究所側は安全確保に万全を期すため、米エネルギー省傘下の核安全保障局(NNSA)の専門家を現場に招くことを決めた。
米南部では最近、山火事が相次いでおり、4月にニューメキシコ州に隣接するコロラド、テキサス両州などで発生。5月にはアリゾナ州で大規模な山火事が発生し、多くの住民が避難を強いられた。
一方、今月中旬には米中西部を流れるミズーリ川が上流域での大雨などで氾濫。ネブラスカ州のフォートカルフーン原子力発電所一帯が完全に水につかった。電力会社や当局は「原子炉は防水措置が施されており心配ない」としたが、周辺住民から安全性への懸念の声が上がった。
原発や核施設をいかに自然災害から守るか。各国に共通した課題だ。
ロスアラモス国立研究所
米国の原爆開発プロジェクト「マンハッタン計画」の拠点として1943年に設立された。初代所長は「原爆の父」とも呼ばれたロバート・オッペンハイマー博士。広島、長崎に投下された原爆も開発・製造された。弾頭の実験や起爆装置の製造なども実施されてきた。近年は環境分野などの研究も行っている。研究所の敷地面積は約9300ヘクタールで約2000棟の建物がある。

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