太陽嵐
- 2012/12/26
- 10:42
太陽フレアって何だろう、地球へはどういう影響が考えられるのだろうと思い、調べてみました。太陽フレア(太陽面爆発 solar flare)によって引き起こされる太陽嵐について説明してあるWikipediaの頁がわかりやすいので、下に転載させていただきました。
私と同じように「?」と思っている方、頑張って読んでみてください。文章自体はとても読みやすいです。
予備知識として、太陽黒点(sunspot)とは、太陽の他の部分に比べて温度が低い部分のことです。太陽黒点は、約9.5~11年毎に増減を繰り返しているそうです。名古屋大学太陽地球研究所のレポートによると、太陽フレアは黒点周辺に蓄積された磁場のエネルギーの一部が太陽コロナプラズマのエネルギーとして突発的に解放される現象であると考えられているそうです。
太陽嵐 - Wikipediaより転載
太陽嵐(たいようあらし、英語: solar storm)とは、太陽で非常に大規模な太陽フレアが発生した際に太陽風が爆発的に放出され、それに含まれる電磁波・粒子線・粒子などが、地球上や地球近傍の人工衛星等に甚大な被害をもたらす現象である。
太陽は、太陽黒点数の変化周期である約11年のほか、約200 - 300年などのいくつかの活動周期を持つと言われている。最も顕著なのは11年周期であり、およそ11年ごとに、活動が活発な極大期とそうでない極小期とを繰り返す。極大期には、人工衛星に搭載される電子機器などに被害をもたらすような強い太陽フレアが発生することがある。また、強い磁場、高密度のプラズマを伴った太陽風が磁気圏に衝突することで、強い電気エネルギーが磁気圏内に生成され、それが原因となって地上にも被害をもたらすことがある。太陽活動に関する研究が発展した近年、この太陽フレアによって地上に大きな影響がもたらされることも考えられるようになり、「太陽嵐」と呼ばれている。太陽フレアのことを一般的に太陽嵐と呼称する場合もあるが、ここでは主に大規模な被害が懸念される格段に強い太陽フレアについて記述する。
影響と対策
太陽嵐が発生すると、普通の太陽フレアよりも格段に多い電磁波(紫外線、光(可視光線)、赤外線、電波)、磁場の波、粒子線、粒子などが放出される。
これらは通常、地球の磁気圏や大気圏を通過する際にほとんどすべてが減衰してしまう。例えば、紫外線は上部大気やオゾン層に吸収されるし、磁場、粒子線や粒子はまず磁気圏に捉えられたあと、上部大気を構成する粒子と衝突してエネルギーを放出し無害化される。唯一地表に届くのが大気の窓領域の電磁波、つまり可視光線や赤外線である。
太陽嵐のように規模が大きな場合でも、これらの防御機構は機能するため、プラズマ粒子などが直接地上に達することは考えにくい。一方で、間接的な影響は起こる可能性がある(ただし、2008年12月にテミスが観測したように磁気圏の穴=薄い場所があればそこから上部大気に直接影響が及ぶ可能性もある。この場合人工衛星等への影響が懸念される)。
太陽嵐により到達したプラズマ粒子等が溜まって磁気圏内に生成された電気エネルギーは、電離層に強い電流を流し、それによって激しい地磁気変動が発生する。さらにそれによる誘導電流が送電線に生成されると、この誘導電流が正弦波交流電流を乱し、電力関係の機器が壊れたり、発電所や変電所などの電力施設が破壊されて停電になるなど、大規模な被害が発生する。
太陽嵐により放出される電磁波などは、その速度の違いによって、3段階に渡って別々に到達する。まず、最初に到達するのが電磁波で、これは光速度で伝わるためわずか8分程度で到達する。これは主に電波障害を起こし、多くの通信システム(人工衛星、飛行機の無線など)が使用できなくなってしまう。
次に来るのが放射線で、これは数時間で到達する。宇宙飛行士などは放射線を遮蔽できるような施設内に避難しないと被曝してしまう。
最後に来るのがCME(コロナガス噴出、コロナ質量放出)と呼ばれるもので、2-3日後に到達する。この影響が最も危険であり、これに伴って磁気圏内に生成される電気エネルギーが原因となって発生した誘導電流が送電線に混入すると電流が乱れ、停電、電力システムの破壊を招く。これを防止するには、発電所などを停止して送電をストップし、強制停電を行うことが必要になると考えられている。大都市を中心に世界的に電力供給に影響が出ることが見込まれ、復旧に莫大な資金がかかり、経済的な損失を招くことになる。
はじめの電磁波到達を乗り切れれば、本体の太陽風の到達までに情報を発信して必要な措置を取ることができるため、主な対策として人工衛星による常時監視が挙げられる。これを担当している衛星として、NASAのACE がある。この衛星は地球と太陽のラグランジュ点付近で太陽嵐の常時監視をしており、太陽嵐の到達1時間前に太陽嵐を感知することができる。
過去の太陽嵐
過去に発生したと推定されている太陽嵐は以下のとおり。
- 1805年
- 1859年の太陽嵐
- 非常に激しいCMEが発生、18時間足らずで地球に到達し現在でも史上最大とされる規模の磁気嵐を発生させた。まだ普及途中であった電信機器は回路がショートし火災が発生した。
- 1958年
- 激しい太陽フレアとCMEが発生。アラスカのフェアバンクスでは非常に明るいオーロラが観測され、メキシコでも3度に渡ってオーロラが観測された。
- 2003年11月4日
- 観測史上最も激しい太陽フレアは2003年11月4日のもので、人工衛星や惑星探査機に影響が及び、国際宇宙ステーションでも念のため避難が行われた。しかし、被害は限定的で一時的なものであった。この観測史上最大の太陽フレアはX28であったが、これをはるかに凌ぐ規模の太陽フレアが発生する可能性が指摘されている。
今後発生が予想されている太陽嵐
地球上の海水が熱塩循環という大循環をしているように、太陽内部でも、磁気を帯びたガスがベルトコンベアーのように循環をしていると考えられている。この循環は40年程度で太陽内部を一巡するが、この長さが約30年-50年程度と前後する場合がある。速くなっている場合は、多くの磁力線が閉じてエネルギーが蓄積されていることを意味し、近い将来磁力線が開いてエネルギーを解放する可能性が高いと考えられている。この解放の周期は約50年周期で、かつ、太陽磁場が反転して磁力線が大きく動く極大期(11年周期)に合わせて発生する。
近年循環が早かったのは1986年-1996年であり、その直後の2000年の極大期には解放されなかったため、次の極大期に太陽嵐が発生する可能性があるとされている。もし発生すれば、前回太陽嵐の被害が現れた1859年や1958年などと比べても、人工衛星が格段に増え、電気が生活を支え、電気製品や電子機器があらゆるところに利用されている現在、生活の末端から社会全般までの色々な場所に影響が及ぶ可能性も指摘されている。被害については未知数な点が多いが、仮に1859年と同レベルの太陽嵐が発生すれば、全世界で2兆ドル規模の被害が発生するとの試算がある(アメリカ研究評議会 (NRC) 、2008年)。
2010年6月、NASAは「次の太陽嵐が2013年5月頃に発生する可能性がある」という見解を発表した。ただ、2008年から始まった第24周期の黒点数の推移は、2009年のNASAの予想によれば1928年に近いものになり80年ぶりの少なさになると考えられている。なお、さらに遡って2006年の時点では、第24周期は第23周期と同等の活動レベルであり、第25周期で大きく活動が低下すると考えられていた。
(転載終了)
次の極大期の黒点数は少なくなるという予想で締めくくってはありますが、今年5月にはこんなニュースもありました。
太陽に「怪物級の黒点」出現、磁気嵐伴う大規模フレアの恐れも
太陽がどのように活動し、地球にどのような影響を与えるかは、神の領域だと思っていましたが、人間の生き方や心の在り方こそがその影響の大きさを決めるのではないかと、最近思うようになりました。
最後まで読んでくださった方々に感謝すると同時に、皆さんが、地球や宇宙の一部として生きていることを自覚し、あらゆる生き物と自然(宇宙全体)を尊重する心を持ち、そのように暮らしていかれますことを願っています。そのような人が一人でも増える度に、太陽嵐の影響は少しずつ小さくなって行くのかもしれません。
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