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日中国債持ち合いがもたらすもの

アジアでの覇権を狙っているアメリカが中国はずしを仕掛けている今、日本が中国との連携を強くすることは
大きな意味があります。日本はどうやら本気で対米従属から脱しようと模索しているようです。それだけアメリカの力が弱まってきたということ。しかし、うまくやらないとアメリカを怒らせてしまうでしょう。今こそ、日本の外交手腕が問われる時です。

BLOGOSより転載

日中国債持ち合いがもたらすもの

2011年12月26日 10:00

野田首相と温家宝首相の会談で日本が中国の国債を7800億円規模で購入することとしました。中国は既に10兆円以上日本の国債を買っていると見られており、いわゆる片思いから持ち合いという強い連携時代に移ることになります。

日本からすれば7800億円規模は外貨準備の0.8%程度にしか当たらないとのことですから記事をこのまま読めばすっと流してしまうかもしれませんが、この動きは来年以降の為替と国債相場にきわめて重要なファクターとなると思われます。

私が一番先に気にしているのがアメリカの反応であります。日本としては外交ルートを通じて事前にアメリカにはその方針を伝えている可能性は高いと思います。なぜならばアメリカほど自国通貨の価値について神経質になっている国はないからです。

ご存知の通り、米ドルは基軸通貨としての役割と米国内通貨としての二つの顔を持っています。アメリカとしては基軸通貨だけに貿易赤字になってもあまり気にならないといえる部分もあります。なぜなら、世界の通貨として好む、好まざるに関わらずドルが世界共通の通貨価値のメジャメントになっているからであります。

しかし、基軸通貨としてのポジションを失うとアメリカ経済はボロボロになることが目に見えています。なぜなら巨額の貿易赤字と財政赤字は格付けの下落を通じて国債価格の下落(利回りは上昇)、ドルの下落を伴うからです。そのためアメリカは過去、基軸通貨防衛の為にさまざまな努力をしてきました。

一説にはイラク戦争もイラクが石油取引をドル建てからユーロ建てに変えるとしたこともその一因といわれています。ドル防衛の為にはアメリカは死力を尽くす、という感がします。私のブログでも指摘している通り、昨今の欧州金融危機もアメリカの格付け機関に振り回されている感がありますが、ユーロを沈み込ませドルを相対的に安定化させるという目論見は見事にワークしているわけです。

例えばアメリカの短期国債は今、マイナス金利状態。つまり、預ける人がお金を払うという異常事態になっていますが、そこまでしてでも欧州を中心にドルが欲しいという需要のマインドの表れとなっています。

このような事態の中、日本が中国との国債持ち合いに入る、そして、それは外貨準備の1%にも満たないわずかな金額とすればアメリカは今は容認します。しかし、日本としてはこれは入り口に過ぎず、ここから大きな中国国債シフトが出来る道筋を作ったともいえます。そこから派生的に想像できる事は、

1.中国が同様の国債持ちあいを他の同盟国にもよびかけること
2.その結果、ドル国債の需要がじわじわと低下していくこと
3.アメリカの覇権の時代から中国経済主導へのシフトへの準備ともとらえられること


でしょうか?日本としても膨大な為替評価損を抱えるアメリカ国債を買い続けることに抵抗はあったはずです。もちろん中国の経済も先行き不安が一杯ですが、それをいえば世界どの国も安泰なところを探すほうが大変だということになります。今回の野田首相の中国訪問でさらっと記事にされていたこの持ちあいは将来的に大きな意味合いをもたらすことになると思います。

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